ついに完結した。
23年越しにようやく完結してくれました。
物語が全部終わってクレジットタイトルが流れた瞬間、中学時代の思い出がよみがえり、ようやく完結したんやって思った瞬間泣いてしまった。
今回の「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」(以下、シン・エヴァ)は、“ことば”や“つながり”がテーマだったように思う。コロナ禍で人と人が分断された状況下で観たからか、一層にそう感じ取れる。ただ、制作開始時期が2016年あたりなので、その時点のシナリオがどうなっていたかはわからんけど。
まだ封切3日目なのでネタバレにならないよう映画内容はなるべく載せずに感じたことを書きますが、まっさらな気持ちで映画を観たい人は来た道へお戻りください。
個人が勝手に感じたことを書いているので、その辺はご了承ください。
過去作品とシン・エヴァの違い
冒頭にも書いたけど、シン・エヴァは「ことば」や「つながり」がテーマだろう。
90年代の放送と旧劇場版でも、序破Qでも、これまでのエヴァと同じくキャラクターが心情を吐露するようなことはなかった。
しかし、シン・エヴァではそれぞれが自分の思いを言葉にして相手と交わしわかりあおうとしていた。
もちろん、戦闘シーンもあるし、理解できない単語のオンパレードなので、エヴァとしての世界観や雰囲気がなくなっているわけではない。ただ、この“伝えないとわからない”。これが、これまでのエヴァとシン・エヴァでの大きな違いに感じた。
ゲンドウくんの人類補完計画とアンノくんの人類補完計画
テーマはわかった。
なら、そのテーマを伝えるにはシン・エヴァでどうすれば観る人に伝えられるのか。
そこで、ゲンドウくんの出番。
過去作を通してゲンドウくんのやりたかったことは“ユイと会いたい”が行動原則ということがわかる。提案した人類補完計画にゼーレのシナリオ。全部自分がユイに会うためという強い思いで世界を動かす。
ただし、もともとの性格と司令官という立場上、自分の考えを誰かにいうことはない。冬月を除いて。最終的には、人類が補完されればユイと会えるからそれでいいと、シンジともスタッフともたいして会話することなく計画をすすめていく。
というか、そんな思いをぶちまけた瞬間、周りから人は離れていくやろうけど。
それに対して、庵野監督はシン・エヴァで各キャラに徹底的に思いを伝えさせていた。ゲンドウにシンジ、レイにアスカに、ミサトさんからWILLEのクルーまで。ゲンドウくんのやり方に対してNOを突き付けた形。
自分の思いを誰にも伝えず言葉を交わさず、やりたいことだけをやる。それは単なるエゴでしかない。そんなやり方では世界は分かり合えないということを示したかったんやないか。
新劇場版は90年代からのUP DateなのかReBuildなのか
今回の新劇場版4作品(新版)は、旧劇場版2作品(旧版)と絶対比較される。考察記事や比較記事がそのうちわんさか出てくるのは予想がつく。
が、今回の新版は当初の『エヴァンゲリオン新劇場版 REBUILD OF EVANGELION(仮題)』のとおりReBuild。
ただ、旧版を中学時代に見ていたオタクとしては、新版でようやく完結したという思いでいっぱいなんで、新版のが良い。
旧作同様の相変わらずのシンジのいじけっぷり
ゲンドウの思い
ゼルエル戦前後のレイの違い
アスカの思い
23年前に観た旧版の「なんやったんや、これ?」感もなく、エヴァの雰囲気はそのままにみんなが感じた疑問や伏線を最終的にまとまった終わりかたやったので良かったという思いしかない。
だからって、旧版が悪いわけではない。
23年前の当時に、監督がこの内容で作れてたかと言えばそんなことはないのではないかと思う。
アニメ放送からの旧版製作。
未完状態やった原作。
どうしてもアニメの内容に引っ張られるから、旧版の内容も謎だらけで終わったのは仕方がない。
監督がどう思い旧劇場版を作ったかはわからんけど。
とりあえず物語を楽しんで、考えるのは後にしよう
1995年のテレビ放送から始まり、旧劇場版2作で終わったかに見えたエヴァンゲリオン。再び始動した2007年の序、2009年の破、2014年のQ後から7年。
途中で創作意欲がなくなったかに見えたが、“シンゴジラ”や“風立ちぬ”に参加しつつようやく作り始めたシン・エヴァ。
奥さんが名付けたカラーという監督の個人製作スタジオ設立。
よく作り切ってくれましたという感謝しかない。
一回見ただけでは全く理解できない単語が今回も盛りだくさん。
事前に序破Qを復習しても新単語が次から次へと出てきて理解が追い付かなかったので、「理解することはやめよう、ただひたすら物語としてたのしもう」と途中で切り替えました。
入場特典の冊子にはネタバレ・観る前の閲覧禁止とあるけど、見たところで内容は理解できないと思う。
途中、何でこの背景・カットにしたの?って思うところもところどころ出てきたけど、純粋に映画を楽しんだので、満足感で終わったシン・エヴァンゲリオン。
24年前の自分にようやくケリをつけれた。
おつかれさまでした、スタッフさん。
ありがとう監督。
さようならすべてのエヴァンゲリオン。