11月は全く本を読まず、この1冊だけ。
『めんどくさがりなきものための文章教室』
今回の本は、「小説を読むだけで文章がうまくなる本」というキャッチフレーズで、文章を書くためのポイントが猫と中学生の物語形式で書かれている。
パロディーありの物語形式
学校の宿題で作文が出された中学2年生の主人公”文岡健”くん。
「中学2年の抱負」というお題で出された作文を一向に書けず悩んでいた帰り道で近道の神社を通ると、銀杏の木の下で雑巾のような猫がネコろんでいる。
雑巾ではなく猫かと放置して帰ろうとすると、猫が話しかけてきて作文を手伝ってやるから飯と布団をくれという。
名前はマ・ダナイ。
しぶしぶ、家に連れて帰り猫に作文を手伝ってもらう。
こんな冒頭で始まる。
著者が小説家なためか、微妙に他の作品のパロディーを入れてくるんですよね。
猫の名前は『吾輩はねこである』の冒頭から。
ラブレターの代筆でが「月がきれいですね」って書けば?とか。
「10万回は生きてる」ってセリフは『100万回生きたねこ』とか。
軽快なノリで易しく書いてあるので、誰でも読みやすいと思う。さすが児童小説家。
目次構成は3章仕立て
- 「何を書いていいかわからない」を一瞬で解決する方法
- 「うまい文章」をスラスラ書く方法
- 誰でも必ず小説が1冊書ける方法
ただし、ビジネス書の文章コーナーに置いてあるからといってビジネス文書を書くための本ではない。
- 上手い文章を書こうと思わずとりあえず書き出す。
- 物事の詳細や気持ちを書いた後に必要なことだけ抜き出す。
- 文章の区切りや相手にわかりやすい表現にする。
- 構成に迷ったらテンプレートを使う。
こういったのはテクニックは確かにビジネス文書でも役に立つかもしれないが、基本感想文や小説を書くための内容と思ったほうがいい。
起こった出来事やそれに対する気持ちなどを書き出す訓練をする。そして、小説1冊くらいなら難しく考えなくても書けるよ。
そんな内容なので仕事の文章作成で困っている人は、もっとビジネス寄りの本を買ったほうがいい。
仕事の報告書やメールで書き手の気持ちや要点を得ない長ったらしい文章は読む気にならないからね。
昔読んだ小説の作者だった
著者ははやみねかおるさん。ひらがなの名前ってぱっとみわかりづいらいですよね。あらいずみるいさんとか、さいきんくぎりのいちにきづいたし。
読んでるときには気づかなかったけど、はやみねかおるってどっかで聞いたことあるなと思ってググってみたら、『そして5人はいなくなる』の作者だった。
今はもう内容を覚えてないけど、小学生のときに図書館で何回か借りた記憶がある。
探偵と中学生3人のミステリー系小説。
どうやら、調べるとシリーズものらしいけど、当時は5人はいなくなるしか読んだ記憶がない。
昔楽しませてもらった小説を書いている人の本をビジネス書で見つけるとは、なんとも面白い話ですね。